この記事では、お子さんが「じっとしていられない」という悩みをお持ちのお父さんお母さんに向けて書いております。 お子さんが多動症(ADHD)かどうか気になっている方にも読んでいただきたい内容です。ぜひご覧ください。
私ごとですが、こどもの保育園でクリスマス発表会がありました。
1歳児クラスの発表会に参加した息子は、他のお友達が横並びで椅子にじっと座っている中、1人だけ前に進んで行き、途中で先生に連れて行かれました。笑
そこで今回は、「じっとしていられない」お子さんとの向き合い方について書いていきたいと思います。
目次
多動症(ADHD)とは
「じっとしていられない」「落ち着かない」といった症状にたいして、どういったイメージをお持ちでしょうか?
少し詳しい方は、多動症(ADHD)と思われる方もいるかもしれませんね。
多動症(ADHD)を知らない方のために国立精神・神経医療研究センターの説明を引用しておきます。
ADHDとは
注意欠如・多動症(ADHD)とは、発達水準からみて不相応に注意を持続させることが困難であったり、順序立てて行動することが苦手であったり、落ち着きがない、待てない、行動の抑制が困難であるなどといった特徴が持続的に認められ、そのために日常生活に困難が起こっている状態です。
NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター
ちなみに、この症状は発達障害の1つとされています。
多動症(ADHD)かどうかを気にする必要はない
発達障害と言われると、不安になったりする方もいらっしゃるかもしれないですが、個人的には発達障害かどうかを気にする必要はないと考えております。
余計なことは気にせず、その子の個性を見て、それに合わせて接してあげれば良いのです。
それはどうしてかお話します。
発達障害でもギフテッドでも性格や能力の違いについては、白黒つくものではありません。その症状はグラデーションになっているのでグレーゾーンというものが存在します。
ギフテッドって何?という方はこちらの記事【ギフテッドとは】をご参考ください。
発達障害かどうかを診断するというのは、上のバーのどこまでが白で、どこからが黒かを決めるようなものです。
その線引きは、便宜上(なにかの都合上)決めたものというだけであって、本来、人をきっぱり分けることなんてできないはずです。
発達障害と診断をされようが全く不都合なく過ごしている人もいれば、発達障害ではなくても悩み苦しんでいる人もいます。
世の中には発達障害で苦しでいる人は多いという意見もありますが、あれは苦しんでいる人が病院へ行き診断を受けているからというのも理由の一つであると思います。
もし、日本人全員が検査を受けて、該当する人の中から苦しんでいる人の割合を算出したらおそらく皆が想像しているほどの割合ではないのではないでしょうか。
私自身も発達障害の特徴というのに心当たりはいくつもありますが、特別困っても悩んでもいないので受診をしたことはありません。
重要なのは発達障害かどうかではなく、困っているかどうかを見てあげること。そしてその特性があるならそれに合わせて接してあげることです。
ホリエモンも多動症?
有名人の例を一つ挙げると、ホリエモンこと堀江貴文氏も、ご自身がもし病院で受診をしたら発達障害という診断を受けると思うと発言されています。
下記、ひろゆき氏との対談からの引用です。
俺は病院に行けばADHDだと診断されると思う。俺は医者や周りの人に何を言われようと気にしないけど、世の中の人は「ADHDだよね」と言われると傷つく人がけっこういるのよ。
「障害」なんて言われると、思い悩む人も多いはず。だから、これからの時代はなんとか障害みたいなものは、ポジティブに言い換えるべきだと思うんだよね。
ホリエモン「『ADHD』と言われるより『多動力あるよね』って言われたら物事に前向きになれる」
そんな彼は自身のことを「多動力」があると表現しております。
この「多動力」とは堀江貴文氏著の書籍タイトルでもあり、多動症の捉え方をプラスにした考え方についても書かれた本です。
お子さんの落ち着きがなくて悩んでいるお父さんお母さんや、あれやこれやとしたいことが出てきて困っている方は、ぜひご覧ください。
じっとしていられない子は、他のことに興味を持つ力が高い
「じっとしていられない」「他のことがすぐ気になってしまう」と言うとマイナスに聞こえてしまうこともあるかもしれません。
しかし、捉え方を変えれば、それは他のことに興味を持つ力が高いとも言えると思います。
周囲の人からしたら、ただじっとしていられないと、我慢ができない子だと感じてしまうこともあるかもしれませんが、その理由は本人しかわからないですよね。
大人が感じている以上に、じっとしていること以上に必要な気付きや興味を他のことへ感じている可能性だって十分に考えられると思います。
こちらの記事【決めつけて不機嫌になる人とは?決めつけるならご機嫌になろう】でもご紹介しているのですが、他者への捉え方というのはいくらでも選択肢があります。
わざわざマイナスな捉え方をしてお子さんの対応も悪くなってしまうよりも、プラスに受け取って個性を伸ばしてあげられる環境を用意してあげることのほうが子どものためになると私は思います。
じっとしていなきゃいけないのか?
そもそも、じっとしないといけないという考え方すら、周りの都合によるものですよね。
保育・学校教育というのはこどものためという側面もありますが、一方で教育者・管理者側の都合というものも含んでおります。
「じっとしている」というのは面倒を見ている側からしたらメリットではありますが、こどもの立場からしたら常にメリットがあるわけではないですよね。
疲れているとき、他に楽しいことが見つかっていないときは「じっとしていたい」というときもあるでしょう。
しかし、本人にとってじっとしているというメリットを感じていなければ、動いてしまうのは当たり前だと思います。
親御さんの中には、「じっとしいられない」というお子さんに対して過度に悩んだりしてしまう人もいらっしゃるかもしれません。
ですが、あまり気にし過ぎず、お子さんの話を聞いてあげたり、したいと思っていることに目を向けて、環境を用意してあげていただけたらなと思います。
もし、一般的な学校という環境がお子さんには合わなそうだなという場合は、こちらの記事【オルタナティブ教育とは?ギフテッドとの関係を探ります】もご参考いただければと思います。
どうしてもじっとしていて欲しいとき
とは言っても、いつも好き勝手させられないのも理解しております。
時と場合によってはおとなしくしておいて欲しいときもあると思います。
そういうときにどうしたら良いか、何か対策がないかについても考えてみます。
まず、一番に必要なことは、お子さんがどうしてじっとしていられないのかその理由を知り理解してあげることですよね。
そして、毎回同じ理由だと思い込んではいけません。そのときによって理由は違うと考えるのが良いと思います。
こどもが飽きてしまっているケース
一番可能性が高いのは「飽きてしまった」ということでしょうか。
「じっとしているのがつまらないから動きたくなる」というケースが多いと思います。
あるいは、「他に気になるものを見つけてしまった」というケースもあると思います。
どちらにせよ、そういうときは今その子が興味を持っていること以上に興味を引くことができればこちらの勝ちです。
じっとしていること、そこにいるのが不快なケース
これは私が感覚過敏だから思うことでもあるのかもしれませんが、その環境が不快だから離れたくなるというケースもあると思います。
感覚過敏についてはこちら→【感覚過敏の辛さと対策について当事者がお伝えします】
座っている椅子が不快、そこの匂いが臭い、電球の光が嫌だ、など大人からしたら気にならないことを感じているこどももいると思います。
そういったことに大人だけで気付くというのは難しいと思いますので、常日頃からお子さんと会話をするというのがとても重要なポイントだと思います。
お子さんが何か嫌がっているときや不快感を表しているとき、ただのイヤイヤ期だと、わがままなだけだと安易に判断せず、しっかりお子さんと向き合ってあげるのが大事なことだと思います。
こちらの記事【イヤイヤ期とは?こどものための対応方法について】も参考になると思いますので、ぜひご覧ください。
お父さんお母さんに構って欲しいケース
じっとしないといけない場所でじっとしなかった場合、お父さんお母さんが構ってくれる。と考えている子もいるかもしれません。
小さい子はどんなことも学習します。こういう行動をすればお父さんお母さんが構ってくれるということも学習しています。
もし、お子さんの行動に心当たりのある場合、普段から構ってあげるという(そう感じてもらえるような)ことを心掛けるだけでも改善する可能性もあるかもしれません。
まとめ
お子さんが「じっとしていられない」としても多動症(ADHD)かどうか、発達障害かどうかは気にしなくても良い。
大事なのは、その子の特性見て、それに合わせた接し方をしたり、環境を用意してあげること。
どうしてもじっとして欲しいときは、お子さんがじっとしていられない理由を考えてあげて、その子に合わせた対応をすることを心がけてあげましょう。