ギフテッドの大人の87%がHSPというデータの正しい見方


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こんにちは。ギフ太です。
「何より大事なのは、人生を楽しむこと」


ギフテッドの大人の87%がHSPであることを示しています」と書かれている論文を見つけたのですが、その見方に疑問があったので正しいデータの見方についてご紹介いたします。

働くギフテッドと感受性が高い人(HSP・OE)との関係について調べたという論文(2016年にオランダで書かれたもの)を見つけました。

その中で「ギフテッドの大人の87%がHSPであることを示しています」という言葉がありました。

ただ、このデータを見るにあたって注意すべき点もいくつか感じたので、この調査内容に加えて注意点をご紹介してみたいと思います。

ちなみにその論文はこちら【Working with intensity】です。

ギフテッドって何?という方はこちらの記事【ギフテッドとは】をご参考ください。

HSP・OEとは

HSPとは

HSPとはHighly Sensitive Personの略で、簡単に言うと「非常に感受性が強く敏感な気質もった人」のことです。

アメリカの心理学者エイレン・N・アーロン博士が、新しい「気質」の心理学的概念として提唱したものです。

これは障害や疾患として診断されるものではなく、生まれつきの性質という概念です。

このアーロン博士の調査では、全人口の15~20%、約5人に1人はHSP気質であると考えらてれおります。

五感の敏感さ(感覚過敏)や人の感情に対する敏感さ、音楽や美術など芸術に対する感受性の高さなど、多くの物事に対しての感覚が敏感であると言えます。

その敏感さや共感力の高さから、HSPでない方と比べ疲れてしまったり悩みを抱えてしまうことも多いと言われています。

日本では、「繊細さん」の本で初めて知ったという方も多いのではないでしょうか。

OEとは

OEとはOverexcitabilityの略で、日本では過度激動と訳されることが多いです。

ポーランドの心理学者カジミェシュ・ダブロフスキー氏がギフテッドに多く見られる特徴だと唱えているもので、5つの領域(精神運動性・感覚性・知性・想像性・感情性)の刺激において平均的な人より強く反応する性質のことです。

HSPとも非常に類似している性質で、HSP提唱者のエイレン・N・アーロン博士も「HSPとOEは同じような概念」と表現しております。

詳しくはこちらの記事【ギフテッドの過度激動(OE)とは】で説明しております。

ギフテッドの大人の87%がHSPであることを示しています」とは

ギフテッドの大人の87%がHSPであることを示しています」とは冒頭で紹介した論文の中で結論として書かれていた言葉です。

その論文内のギフテッドとHSPに関連する調査内容について簡単にご紹介いたします。

調査対象者

オランダで働く大人(募集時に仕事を持っていた18歳から65歳まで)が対象です。

各団体(Mensa・HSP Vlaanderen・IHBV)に目的は伏せてアンケートを送り、返答があった1638⼈のデータを元に検証していると書かれております。

調査方法

ギフテッドかどうか

オランダの各団体(Mensa・HSP Vlaanderen・IHBV)にアンケートを送り、その中の「あなたはギフテッドですか?」という回答にYesを答えた数を集計。

HSPかどうか

HSPかどうかは27のチェックリスト(論文の21P,22P)のうち14個以上該当があった人をHSPと判断。

調査結果

HSPnHSPTotal
GA21431245
nGA10972961393
Total13113271638
GA and HSP in this dataset
出典:Working with intensity(12P)

調査結果をまとめたものが上記内容になります。

GAはギフテッドアダルト(ギフテッドの大人)、nGAは非GA、nHSPは非HSPの方のことです。

この表を見るとわかりますが、アンケートに答えた1638⼈の回答者のうち 245 ⼈ (14%) が GAとみなされました。

14%がギフテッドと言われると多いと思いますが、調査対象者にMENSA(高IQ集団)やIHBV(ギフテッドのサポート関連の組織)が含まれているのが関係しております。

そしてその245人のうち214(87%)がHSPの傾向を持つという結果が得られました。

データを見る上での注意点

ただ、気を付けなければならない点は、調査対象が限定的だということです。

ギフテッド関連の団体とHSP関連の団体にアンケートを取っているので相関関係が高くなるのは当然ですよね。

もう少しわかりやすく言うと、無作為に選ばれた調査対象ではないので、世界のギフテッド全員にアンケートを取ったからと言って、同じような結果(比率)にはならないということです。

その証拠に、nGA(非ギフテッドアダルト)1393人のうち1097人(79%)がHSPの傾向を持つというデータが出ています。

もともとHSPの提唱者アーロン博士の調査では、全人口の15~20%がHSPの傾向を持つと言われているので、大きく違うのがわかりますよね。

なので、少し見方を変えて私が正しく情報を受け取るとすると、nGAのHSPが79%に対し、GAのHSPは87%なので、nGAよりGAの方が約1割だけHSP率が高いと認識することができると考えます。

「ギフテッドのうち87%がHSP」と言われるのとでは、だいぶ印象が変わりますよね。まるでテレビのニュースみたいですね。

情報を正しく受け取る力がないと悪意(あるいは無自覚なミス)による偽情報・誤情報を受け取ってしまうことにもなると思うので気を付けましょう。

とはいえギフテッドとHSP・OEとの関係はあり

とはいえギフテッドとHSP・OEとの関係はあるという意見が主流ではある言われております。

それに関する研究データに関しては調べたわけではないのですが、私個人としても相関関係はある(どちらの傾向も持つ方は多い)という感覚です。

ただ、当然ですが必ずしも関連しているというわけでもないので、ギフテッドだからどうとか、HSPやOEだからどうとかではなく、何を考えるにおいてもその人の個性にちゃんと向き合って考えるということが重要なのだと思います。

参考文献


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