ギフテッドの過度激動(OE)について知りたい方、ギフテッドの特徴について知りたい方はご覧ください。
あなたのこどもは靴下の縫い目について不平を言っていますか?
映画館で映画が始まったら、耳に手を当てますか?
じっと座っているのが苦手ですか?
音楽や芸術作品に感動して泣きそうになったことはありませんか?
これらは、過度激動 (OE) の兆候です。
上記言葉は過度激動(OE)について解説していた海外サイトの言葉を訳したものです。
ギフテッドの傾向として過度激動(OE)という考え方があったので、この記事でご紹介してみたいと思います。
ギフテッドって何?という方はこちらの記事【ギフテッドとは】をご参考ください。
目次
過度激動(OE)とは
OEとはOverexcitabilityの略で、ポーランドの心理学者カジミェシュ・ダブロフスキーが特定した5つの領域(精神運動性・感覚性・知性・想像性・感情性)における過剰興奮性(人より強く刺激に反応する性質)のことです。
ギフテッドのこどもは複数の領域に反応する傾向がありますが、その中でも一つの領域が優勢になることが多いです。
過度激動(OE)の5つの領域とは
過度激動(OE)の5つの領域についてはこちらのサイト【Dabrowski’s Overexcitabilities in Gifted Children】を参考として、簡単にご紹介してみます。
精神運動性 OE(Psychomotor Overexcitabilities)
精神運動性 OE は、ギフテッドのこどもによく見られる特徴で、高レベルのエネルギー(エネルギーの余剰)が要因とされております。
このOEを持つこどもは、常に動いているように見えます。
幼児期でさえ他の子供たちよりも睡眠時間が短く、大人になると長時間働いても疲れないなどの特徴を持ちます。
また、このOEを持つ子どもは、注意欠陥・多動性障害(ADHD)と誤診されることがあります。
しかし、彼らは活動的である一方で、精神的な刺激が不十分でない限り、集中する能力はかなり高いというのが違うところと言われております。
このような子どもたちにとって、精神的な刺激の不足は、主に学校生活などでの問題となることがあります。
特徴
- 競争力が高い
- 整理整頓へのこだわり
- 強迫観念的な話し方
- 衝動的な行動
- ストレートな感情表現
- スピード感のあるアクションやスポーツを好む
- 神経質な癖やチック症状
- 早口言葉
- 不眠、睡眠時間が短い
関連記事
感覚性 OE(Sensual Overexcitabilities)
感覚性 OEは、視覚、嗅覚、味覚、触覚、聴覚の五感の意識が高いのが特徴です。
感覚性 OEを持つ子供は、特定の食べ物の匂いで気分が悪くなったり、幼児期には裸足で草の上を歩くのを嫌がったりすることなどがあります。
また、食べ物の味や食感から得られる喜びから、食べ過ぎてしまうこともあります。
特徴
- 執筆、音楽、美術、自然鑑賞などを好む
- 快楽への渇望
- 快適さの必要性または欲求
- 汚染に対する感受性
- 食品のにおい、味、食感に敏感である
- 触覚過敏(皮膚や衣服のタグの感触が気になることがある)
関連記事
知性 OE(ntellectual Overexcitabilities)
この知性 OEは、ギフテッドチャイルドに最も多く見れれる傾向です。
その特徴は、心の活動です。このOEが高いこどもたちは、常に考えていて、深い質問に対する答えを求めている傾向があります。
時には、答えを求めるあまり、先生への質問やミスへの指摘から問題になることがあります。
特徴
- 分析的思考
- 徹底的に質問する
- 熱心な読書家
- 集中力、知的努力を維持する能力
- 深い好奇心
- 自立した思考
- 知識・学習が好き
- 問題解決を非常に好む
- 理論的思考力の高さ
関連記事
想像性 OE(Imaginational Overexcitabilities)
想像性 OEの主な特徴は、想像力の自由奔放さです。
想像力が豊かなため、あらゆる状況に対して最悪のシチュエーションを想像してしまうこともあります。
しかし、それによりチャンスを掴むこともあれば、新しい状況に巻き込まれないということもあります。
特徴
- 空想
- 詳細な視覚化
- 未知なるものへの恐怖
- ユーモアのセンスがある
- イマジナリーフレンド
- ファンタジーへの愛
- 詩・音楽・演劇への愛
- 呪術的思考
- 鮮明な夢
感情性 OE(Emotional Overexcitabilities)
感情性OEの主な特徴は、並外れた感情的な敏感さ(感情の起伏の激しさ)です。
このOEが強い子どもは、双極性障害やその他の感情的な問題や障害を抱えていると誤解されることがあります。
また、「あの子は感受性が強すぎる」と言われることもあります。
特徴
- 不安
- 他者への気配り
- うつ病
- 感情の起伏が激しい
- 罪悪感・責任感
- 不適格感、劣等感
- 正義と悪、あるいは不正と偽善に対する感覚の高まり
- 孤独感
- セキュリティの必要性
- 感情に対する身体的反応(不安による胃痛など)
- 変化への適応に問題がある
- 気持ちの記憶が強い
- 臆病・恥ずかしがり屋
HSPとの違い
過度激動(OE)の特徴をみて「あれ、これってHSPに似てない?」と思った方もいらっしゃると思います。
私も始めて知ったときにそう思いました。
この2つは提唱者が違うのですが、共通した要素が多くあります。
実際に後発であるHSPの提唱者エレイン・アーロン曰く「HSPとOEは同じような概念」とこちらのページ【Is Sensitivity the Same as Being Gifted?】にて書かれております。
また、別のレポートでは「ギフテッドの87%にHSPの傾向が見られた」という調査結果も見つけました。(これに関しては後日記事を書いてみたいと思います)
最後に
当然ですがギフテッドだからと言って過度激動(OE)の傾向をすべて持つわけではありません。
どんな方であれこの中の特徴の1つや2つは持っているはずです。
あくまで参考程度に考えておくのが良いかなと思います。
また、過度激動(OE)以外のギフテッドが持つ特徴についてはこちらの記事【ギフテッドの特徴について】でご紹介しております。興味のある方はこちらもご覧ください。