ギフテッドのお子さんを育てているお父さんお母さんや、ギフテッドチャイルドと関わりのある方はぜひご覧ください。
ギフテッドって何?という方はこちらの記事【ギフテッドとは】をご参考ください。
目次
ギフテッドはひとくくりにできないとは
ギフテッドの共通点として、平均値から離れた高い能力を持つというのがあります。
しかし、共通点があるということと、ひとくくりにして良いということは違います。
私はIQについての話をするとき、身長に例えてご説明することが多いのですが、今回も身長を使って例えるとわかりやすいかなと思います。
ちなみに、IQと身長の話はこちらの記事【IQの高さとは、身長のようなもの!誇るべきではないその理由とは】でお話していますのでよろしければご覧ください。
平均から大きく離れた身長(高身長)の場合、一般的なサイズ(S/M/L)の洋服は着れませんよね。(似合いませんよね)
そういう方の中には「XLなら着れる」という人もいれば、「XXLでも着れない、オーダーメイドじゃないと無理」という人もいます。
この二人は身長が高くてLサイズが着れないという共通点はありますが、身長が同じではないので同サイズの服は着れません。(服のサイズをひとくくりにはできません)
ギフテッドに関してもそれと同じことが言えます。
ギフテッドの傾向を持つ方の場合も、平均値から離れた能力を持っているということは共通してますが、その能力の高さや種類というのは人によって違います。
平均的な身長の方から見たら、190cmの人も210cmの人も非常に大きな人達というようにしか見えないかもしれませんが、実際は20cmもの身長差があります。
160cmの人と180cmの人で同じサイズの洋服が着れないように、当然190cmと210cmの人も同じサイズの服は着れません。
ギフテッドも同じなのです。
ギフテッドの傾向を持つ人全員が世間のイメージする天才ではない
個人的には天才という言葉をあまり使いたくないのですが、世間のイメージとして「ギフテッド=天才」のような感覚の方が多いというのは理解しております。
ちなみに天才という言葉があまり好きでなはい理由はこちらの記事【才能がないと嘆いていれば自分の努力不足を認めなくて済む】でお伝えしている考えが関係しております。
しかし、ギフテッドの定義(明確な定義はないが目安としてIQ130以上を利用することが多い)に当てはまっているかどうかだけで考えると、ギフテッドの傾向を持つからといって天才ということではありません。
身長でいったら185cmのギフテッドもいれば220cmのギフテッドもいるという感じですかね。
私自身もギフテッドの傾向を持つのですが、身長で言ったら(自分のIQを人口比率で考えたら)190cm前後くらいだと思います。それくらいの身長の方はそこまで珍しくはないですよね。
しかし、メディアで特集されるギフテッドの多くは身長でいうと2m以上の人たちばかりなので、世間のイメージとしては「ギフテッド=非常に珍しい=天才」みたいになってしまっているのだと思います。
なので、病院でギフテッドの傾向があると診断されたからといって、その子にとって世間のイメージにあるギフテッドと同じ環境が適しているかと言われると必ずしもそうではないと私は考えております。
ギフテッドチャイルドのことを考えるうえで必要な心構え
ギフテッドとひとくくりにして接し方や教育方法を考えてはならない
上でご説明しましたが、ギフテッドといってもその能力は人によって大きく違います。
ギフテッドをひとくくりにして、こういう教育・対応が必要と考えることは「身長が高くて困っている子が一定数いるから、大きなサイズの服を1種類作ってあげよう」と考えるようなことです。
その考えが善意によるものであるのはわかりますし、やらないよりはやったほうがいいとも言えるとは思いますが、それでも少し乱暴な考え方だと私は感じてしまいます。
ご家庭においての心構え
特にご家庭においてご両親がこの考え方をしてしまう(ギフテッドとひとくくりにしてしまう)のは非常にもったいないことだと思います。
学校教育においては、限られた人員や時間で対応しなければならないという条件があるので、どうしてもある程度ひとくくりにして対応してしまう(そして、数の多い平均的な子たちから優先的に対応してしまう)というのは仕方ないでしょう。
しかし、ご家庭であれば学校と違って対象は自分のお子さんのみです。
お子さんに使える時間はお子さんのタイプに関わらず同じですよね。
「ギフテッドの傾向を持っているから他のギフテッド教育をしている方と同じような対応をしておけば大丈夫だろう」と安易に考えるのは、「Lサイズの服が合わないなら、XLを買っておけば大丈夫だろう」と考えてしまうのと似たようなことです。
身長が人それぞれ違うのと同じく、能力や特性というのも人それぞれ違います。
ギフテッドであれ非ギフテッドであれ、ちゃんとお子さんの能力や特性をしっかり見極めて、その子に適した対応をしてあげることが大切です。
学校教育において
これは、難しい問題ではあると思いますが、まず必要なことは「ギフテッドといっても人それぞれ能力は違う」という理解をしておくことだと思います。
洋服で考えるとわかりやすいですが、1つのサイズで高身長の人全員に合う服というのは難しいですよね。
そういう服を探すのではなく、どうやったら色々な身長の方に適したサイズの服を提供できるか(色々な能力のこどもたちに合った教育を提供できるか)を考えることが重要なことだと思います。
そこがうまいこと解決できれば、それは、ギフテッドの方だけでなく、境界知能と分類されるような方や、平均の範囲内とされているが端の方に属する方たちにも快適な教育が提供できることに繋がると思います。
まとめ
ギフテッドといってもその能力は人それぞれ違います。
大切なことは、お子さんがギフテッドかどうかではなく、お子さんの能力や特性をしっかり見極めて、その子に適した対応をしてあげることです。
大切なお子さんの才能を枯らしてしまうことがないよう、お子さんとしっかり向き合いましょう。