この記事では、ギフテッドの傾向を持つこどもや知的好奇心の高いこどもにおすすめのSTEAM教育(スティーム教育)についてご紹介いたします。
STEAM教育という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
私がこのSTEAM教育という言葉の意味を知ったとき、「どうして私の好きな分野だけをまとめているのだろう?」と思いました。
気になってSTEAM教育について調べてみたところ、これはギフテッドの傾向を持つこどもや知的好奇心の高いこどもに非常におすすめだと感じましたので、ご紹介してみようと思います。
ギフテッドって何?という方はこちらの記事【ギフテッドとは】をご参考ください。
目次
STEAM教育とは
STEAM教育(スティーム教育)とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の頭文字を合わせた言葉です。
STEAM(科学・技術・工学・芸術・数学)の分野を一緒に学ぶことで、これからの社会(IT・AI時代)を生きる上で必要と言われている「自発性」「創造性」「問題解決能力」といった能力を身につけ、こどもの可能性を広げることができます。
私の言葉で表現すると「STEAM教育とはこどもの本来持っている力(好奇心と考える力)を最大限引き出す教育」です
ちなみに、文部科学省が発行しているPDF内では下記のように紹介されております。
出典:STEAM教育等の教科等横断的な学習の推進について|⽂部科学省初等中等教育局教育課程課
- 初期のSTEAM教育は、統合型STEM教育にArts(デザイン、感性等)の要素を加えたものと解釈できる。Yakman(2008)では、STEAM教育は学問領域を横断して指導する枠組みであると示している。また、STEAM教育は、エンジニアリングとアーツ(言語や歴史などを含む文科)を通して解釈される科学と技術であり、すべては数学的な要素に基づくものであるとする。
- 近年は、現実社会の問題を創造的に解決する学習を進める上で、あらゆる問いを立てるために、Liberal Arts(A)の考え方に基づいて、自由に考えるための手段を含む美術、音楽、文学、歴史に関わる学習などを取り入れるなどSTEM教育を広く横断的に推進していく教育(東京学芸大学 大谷 忠氏より)。
STEAM教育の目的
STEAM教育の目的は、上と同じPDF内で下記のように定義されております。
出典:STEAM教育等の教科等横断的な学習の推進について|⽂部科学省初等中等教育局教育課程課
- 科学・技術分野の経済的成長や革新・創造に特化した人材育成
- STEAM分野が複雑に関係する現代社会に生きる市民の育成
以下に、上記目的の具体的な例をいくつかご紹介します。
- 科学・技術分野の経済的成長や革新・創造に特化した人材育成
- ロボット工学や人工知能(AI)の研究・開発に取り組む人材の育成
- バイオテクノロジーによる新しい医薬品や食品の開発に取り組む人材の育成
- クリーンエネルギーや省エネルギー技術の研究・開発に取り組む人材の育成
- STEAM分野が複雑に関係する現代社会に生きる市民の育成
- デジタル社会に必要なスキルを身につけ、自己表現やコミュニケーション、問題解決能力を育成
- 社会における重要な問題について、科学・技術の側面から理解する力を育成
- 芸術やデザインを取り入れた教育で創造的な思考力やアイデア・発想力を育成
これらの例からも、STEAM教育が幅広い分野で重要な役割を担っていると言えるでしょう。
STEAM人材は高収入を得やすい
アメリカ合衆国労働省労働統計局(Bureau of Labor Statistics)の調査によると、下記のような調査結果があります。
STEM雇用は賃金が高い
出典:(日本語訳)STEM occupations: past, present, and future (P.20)
STEM職の割合が高い産業は、一般的に賃金が高い。コンピュータ・システム・デザイン、エンジニアリング・サービス、研究開発サービスなどを含む専門的・科学的・技術的サービスの雇用の3分の1以上をSTEM職種が占めている。この業界はまた、全職業の中で最も平均賃金が高く、7万7,570ドルであった。情報産業(70,440ドル)、公益事業(73,100ドル)、企業経営(79,600ドル)も、全体の平均賃金とSTEM雇用の割合の両方が高い産業であった。STEM雇用の割合が最も低い業種の平均賃金は、小売業(31,280ドル)、宿泊・飲食サービス業(24,340ドル)であった。
上のグラフは縦が平均年収、横がSTEM雇用を受け入れている職種の割合です。
簡単に言うと、STEM人材は非STEM人材と比べ高収入ということです。
2015年の情報なのでSTEAMではなくSTEMのデータですが、大きくは変わらないでしょう。
むしろ、IT化・AI化が進んだいま、これまで以上にその差が生まれてくると考えて良いと思います。
STEAM教育の特徴とメリット
STEAM教育を受けることによって、以下のようなメリットがあるとも言われております。
- 論理的思考力の向上
- 創造力の向上
- 技術力の向上
- コミュニケーション能力の向上
- 問題解決能力の向上
- 自己表現能力の向上
- チャレンジ精神の向上
- 社会的意識の向上
- 読解力の向上
- 知識の幅の拡大
論理的思考力の向上
STEAM教育には科学や数学などの学問が含まれており、それらを学ぶことで論理的思考力が向上すると言われています。
創造力の向上
アートやデザインなどの分野が含まれているため、子どもたちは自分でアイデアを考え、創造的な問題解決ができるようになります。
技術力の向上
コンピューターやプログラミングなどの技術を学ぶことで、情報化社会において必要な技術力を身につけることができます。
コミュニケーション能力の向上
STEAM教育においては、グループでのプロジェクトが多く、協力して課題に取り組むことでコミュニケーション能力を向上させることが期待されています。
問題解決能力の向上
STEAM教育には、現実の問題を解決するためのアプローチが含まれているため、問題解決能力が向上すると言われています。
自己表現能力の向上
アートやデザインの分野に触れることで、自己表現能力が向上すると言われています。
チャレンジ精神の向上
STEAM教育においては、新しい知識や技術に挑戦することが多く、チャレンジ精神が向上すると言われています。
社会的意識の向上
STEAM教育においては、エネルギーや環境問題など、社会問題について学ぶことが多く、社会的意識が向上すると言われています。
読解力の向上
STEAM教育には、科学や数学のテキストを読み解く必要があり、読解力が向上すると言われています。
知識の幅の拡大
STEAM教育には、幅広い分野が含まれており、様々な知識を身につけることができます。
ギフテッドにもおすすめのSTEAM教育
当事者としての感覚にはなりますが、このSTEAMという分野は多くのギフテッドの方も興味を持つ分野なのではないかなと思います。
ギフテッドの方の傾向として、好奇心の強さ(興味の持ったことについて深く学ぼうとするという特性)があります。
ギフテッドのこどもにSTEAM教育をすることによって、本人が持つ知的好奇心が刺激され、育まれ、成長に繋がります。
知的好奇心の話はこちらの記事【ギフテッドの「知的好奇心」とは「特殊的好奇心」のこと】でも触れているので興味のある方はご覧ください。
おすすめの理由はそれだけでなく、一般的な教育では満たされないことが多いギフテッドの心を満たしてくれる可能性が高いというのもSTEAM教育の魅力です。
一般的な学校教育のような、問題に対する答えを求めるだけの教育ではないので簡単で飽きてしまいやる気がなくなってしまったり、無気力になってしまうという問題も起きにくいと思います。
ギフテッドのこどもが簡単な環境に身を置き続けるリスクに関してはこちらの記事【ギフテッド当事者が語る授業の辛さ!私が無気力症候群になった理由】でお話しているので、興味がある方はこちらもご覧ください。
STEAM教育に興味を持ったら
もしSTEAM教育に興味を持ったというお父さんお母さんがいらしたら、ぜひ早めにご検討するのをオススメいたします。
というのも、基本的にお子さんが小さければ小さいほど得られる恩恵は大きいからです。
理想としては園児〜小学生くらいの間が1番効果を得られると思います。
私はお父さんお母さんさんがSTEAMの分野が好きで、お子さんに楽しさを伝えらるならば必ずしも専門機関で教わらなくても良いと考えています。
しかし、時間の都合であったり、好みの問題であったり、親が直接こどもに教えるのは難しい場合もあるでしょう。
そういう場合はSTEAM教育専門のスクールや教材を利用するというのが良いと思います。
下記にご紹介いたしますのでどうぞご参考ください。
STEAM教育専門のスクール
STEMON(ステモン)
子ども・小学生のSTEAM教育&プログラミングスクール|STEMON(ステモン)
STEMON(ステモン)は日本初のSTEAM教育&プログラミングスクールです。
- STEAM教育コース(対象:年中~小学6年生)
- 読解コース~よみとき算数~(対象:年長~小学6年生)
上記2つのコースがあるのですが、もちろんSTEAM教育コースがオススメです。
百聞は一見にしかずということで、下記動画をご覧ください。
全国展開していて無料体験もやっているので、気になる方は一度チェックしてみることをオススメいたします。
STEAM教育専門の教材
WonderBox(ワンダーボックス)
ワンダーボックスとは、4歳〜10歳を対象に、デジタルとアナログを組み合わせた
STEAM教材を毎月お届けしてくれるサービスです。
私の子どもは上の子がまだ2歳なので実際に利用はしていないのですが、内容を見たところ「ああ、ちゃんと分かっている人が監修しているのだな」「こどもが楽しめる時期に入ったらやってみよう」という感想を抱きました。
無料でお試しもできるので、対象年齢に当てはまるお子さんがいるのであれば一度お試ししてみることをオススメいたします。
Groovy Lab in a Box(グルービーラボインアボックス)
今話題のSTEAM教育【Groovy Lab in a Box】
Groovy Lab in a Boxとは、STEAM教育の本場アメリカ発の「『好き』を見つけて、『得意』を育む」がコンセプトのSTEAM教材(実験キットやレッスン動画など)サービスです。下記2コースがあります。
- ジュニアステミスト(対象:4~7歳)
- ステミスト(対象:8~12歳)
こちらも紹介動画があるのでまずはご覧ください。
こういうキットを見るとワクワクしますね。自分がこどもの頃に出会っていたら確実にハマっていたという確信があります。
STEAM教育の本場アメリカの教材で学ばせたいという方には良い選択肢になるかと思います。
最後に
STEAM教育は、未来を担う子どもたちが必要とする能力を育成するために必要不可欠な教育です。
テクノロジーの進化によって世界はますます複雑化し、より高度な専門知識と技術が求められるようになっています。
そうした中で、STEAM教育によって育まれるこどもは、自身の力が最大限に引き出され、優れた専門知識と技術を持ち、世界をリードする可能性すらあります。
お子さんがこれからの社会に必要な能力を身につけ、自分らしい未来を切り拓く力を得るためにも、STEAM教育を始めてみてはいかがでしょうか。