「レッジョ・エミリア教育」とは?オルタナティブ教育を知ろう③


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こんにちは。ギフ太です。
「何より大事なのは、人生を楽しむこと」


オルタナティブ教育を知ろうシリーズ第3弾は「レッジョ・エミリア教育」です。

オルタナティブ教育とは何か知りたい方はこちらの記事【オルタナティブ教育とは?ギフテッドとの関係を探ります】からご確認ください。

下記参考書籍です。

レッジョ・エミリア教育とは

レッジョ・エミリア教育、ご存知でしょうか?

上記書籍内では、レジスタンスの街で生まれた教育。としてご紹介されております。

第二次世界大戦直後にイタリアのレッジョ・エミリアという地域で生まれたその教育は、戦前の教育に対するアンチテーゼ的な思いも強いと表現されています。

レッジョ・エミリア教育の概要(上記書籍から引用)

創始者・
おいたち
ローリスマラグッツィ Loris Malaguzzi 1920~1994 元小学校教師。教育思想家・理論家。 イタリアファシズムやドイツナチスに最後まで抵抗したイタリア北部の小さな街「レッジョ・「エミリア」で、第二次世界大戦直後、 市民がみずからの幼児学校を設立した。それを手伝い、発展させたのがマラグッツィだった。
理念・
スローガン
子どもは100の言葉をもっている。
特徴・
キーワード
未就学児に特化した教育。 ピアッツァ (広場) やアトリエ、キッ チンなどを備えた心地よい空間で自由に 「プロジェッタツィオー ネ(探究活動)」 をさせる。 教師たちはその様子を 「ドキュメンテー ション(記録化)」し、「報告会議」 で 「ペタゴジスタ(教育の専 門家)」と「アトリエリスタ (芸術の専門家)」や保護者の意見を取り入れて、「プロジェッタツィオーネ」を発展させる。

この「レッジョ・エミリア教育」の要点を私の言葉でまとめると、「大人の既成概念を植え付けるような教育方法に対するアンチテーゼ(反対意見)として生まれた教育方針。大人がこどもに教え込むのではなく、大人自身が常に考え行動する姿を見せること自体も教育と考える」ということです。

レッジョ・エミリア教育に対しての感想

このレッジョ・エミリア教育を把握するにあたり一番早い方法は、創始者の作った「100の言葉」というのを見てみることだと思います。

下記にご紹介いたします。

子どもは
百のものでつくられている。
子どもは
百の言葉を
百の手を
百の思いを
百の考え方を
百の遊び方や話し方をもっている。
百、何もかもが百。
聞き方も
驚き方も愛し方も
理解し歌うときの
歓びも百。
発見すべき世界も百。
夢見る世界も百。
子どもは
百の言葉をもっている。
(ほかにもいろいろ百、百、百)
けれども、その九十九は奪われる。
学校も文化も
頭と身体を分け
こう教える。
手を使わないで考えなさい。
頭を使わないでやりなさい。
話しをしないで聴きなさい。
楽しまないで理解しなさい。
愛したり驚いたりするのは
イースターとクリスマスのときだけにしなさい。
こうも教える。
すでにある世界を発見しなさい。
そうして百の世界から
九十九を奪ってしまう。
こうも教える。
遊びと仕事
現実とファンタジー
科学と発明
空と大地
理性と夢
これらはみんな
ともにあることは
できないんだよと。

つまり、こう考える。
百のものはないと
子どもは答える。
冗談じゃない。 百のものはここにある。

ローリス・マラグッツィ (訳:佐藤学)

私はこれを読んで、創始者であるマラグッツィさんの既存教育に対する強い憤りみたいなものを感じました。

私自身の考え方にも、こちらの記事【赤ちゃんは皆ギフテッド!才能を枯らさない育て方】にてご説明しておりますが、「こどもに余計なことをしない」という考えがあります。

なので、マラグッツィさんの言葉にはとても共感できます。

このレッジョ・エミリア教育というものに対しても好印象です。

ただ、あえて気になる点をあげるとすると、再現性が他の教育方法と比べると高くないのではないかという部分です。

どういう意味かと言うと、決まった教育手法というのがない(それを教育者たち自身が考えていくことが大事)という教育法のため、それによって生まれた教育内容は教育者たちや現場によって変わってくるだろうなということです。

マラグッツィさんの教育に関しては、おそらく私の感覚と合っています。

しかし、レッジョ・エミリア教育を導入しているスクールを選ぶという視点で考えると、スクールごとに微妙な違いが出てくるだろうことから、その教え方が自分の考えに合っているかは直接見ないとわからないだろうなという印象です。

飲食店で例えるなら、同じ店名(レッジョ・エミリア教育)を名乗っていてもシェフ(教育者)の自由度が高い分その味付け(教育内容)は店ごとで多少違うだろうなという感覚に近いですね。

とはいっても、コンセプト自体が変わることはないでしょうし、その方針自体はとても良いと思います。

さらに、コンセプト自体は他の教育方法と併用することもできると思うので、お父さんお母さんがこの考え方を持ってお子さんと接するということに関してはとてもオススメできるなとも思いました。

ギフテッドとの関係を探る

最後にこのブログらしく、ギフテッドとの関係を考えてみたいと思います。

ギフテッドって何?という方はこちらの記事【ギフテッドとは】をご参考ください。

あくまで、私の感想ではありますが、おそらく創始者であるマラグッツィさんの思う教育方針が上手くハマればギフテッドと呼ばれる才能が残るこどもが出てくることは十分に考えられると思いました。

しかし、上述したとおり教育者の裁量が多いので、現場の方々が考え出した教育内容によってはあまりよくない効果を及ぼすパターンもゼロではないのかなと思いました。

とはいえ、私が直接見て確認したわけでもないですし、問題ない可能性のほうが高いとは思っております。

ただ、導入しているスクールによって(現場によって)多少の違いはきっとあると思いますし、お父さんお母さんの好みなどもあると思います。

そういう意味でも「レッジョ・エミリア教育」を導入しているスクールを選ぶ際には、実際に自分の目で見て判断することは絶対に必要なことだと思います。

わたしは「レッジョ・エミリア教育」のコンセプト自体はとても良い考え方だと思いますし、お父さんお母さんがこの考え方を学び実践することはお子さんにとってプラスでしかないとも思います。

育児・子育て中の方でもしこの「レッジョ・エミリア教育」に興味を持たれた方は、もう少し詳しく学んでみるのも良いのではないでしょうか。

参考書籍

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