こどもの競争心を奪うものとは?要領が良すぎる子が危ない理由


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(2E型ギフテッド・ITエンジニア)

ギフテッド当事者の体験談や考え方を発信しております。
ピアノと育児を楽しむ2児の父です。

こんにちは。ギフ太です。
「何より大事なのは、人生を楽しむこと」


この記事では、こどもの競争心・闘争心についてお話しております。
また、ギフテッドチャイルドや要領がいいこどもが遭遇してしまうかもしれないケースについても触れています。
子育て中のお父さんお母さんはぜひご覧ください。

競争心、必要だと思いますか?

私は競争心や闘争心という他者への負けん気みたいなものが人一倍ありません。

それが良いことなのか悪いことなのか、どうしてそうなってしまったのかについて今回はお話していきたいと思います。

競争心は生まれつき持っているものか

競争心とは生まれ持ったものでしょうか、それとも環境によって変わってくるものでしょうか。

アメリカの心理学者マーティ・O.レイニーさんは、下記書籍の中で、生まれ持って競争を苦手とする「内向型」の人間が一定層いると唱えております。

この本は内向型で自分の性格に悩んでいる人や、自分は外向型で内向型の人が理解できないといった人にオススメです。気になる方はご覧ください。

私も生まれ持って競争を苦手とする人間が一定層いるということに関しては同感ですが、これは視点を変えると、育つ環境の影響も十分にあるということだと思います。

そこで、こどもの競争心が後天的に変化する場合、どういったことが影響するのかについて深掘りしていきましょう。

競争心の変化について

こどもの競争心が強くなる理由

競争心が強くなる理由。これは想像がつきやすいですよね。

競争することでその楽しさを感じたり、勝ったときの快感などを知りハマっていくのでしょう。

では、競争心が弱くなる理由はどうでしょうか。これが今回の記事一番のポイントになるでしょう。

まず競争心がなくってしまう理由についてよくあるケースを考えてみます。

こどもの競争心が弱くなる理由(よくあるケース)

競争心が強くなる理由の逆で、競争に負けることによって嫌になる。失敗したことで挑戦したい気持ちが減ってしまう。といったことが主な理由かなと思います。

しかし、この記事【赤ちゃんは皆ギフテッド!才能を枯らさない育て方】でも述べたのですが、こどもには失敗なんて当たり前のことです。当たり前のことなのにそれが原因で嫌になってしまうのはその後の周りの対応が大きく関係していると私は考えています。

  • 競争して負けたことをバカにされる
  • 勝つための努力をやっても無駄だと言われる
  • どうせお前には無理だからと信じてもらえない

そんな周りの環境がその子の競争心を奪ってしまうのではないでしょうか。

こどもの競争心が弱くなる理由(ギフ太のケース)

では、次にわたくしギフ太のケースを見てみましょう。

お子さんの中には何をするにも要領のいい子がいると思います。

そして、こどもが小さいうちは初めての経験、あるいは経験の浅い状態での競争が多くなりますよね。

そうなるとどうしても要領の良い子や月齢が高い子が競争に勝ってしまう機会が増えてしまいます。

一見それはその子にとっては良いことだと思われるかもしれませんね。

もちろん、先ほど述べたように、競争に勝つことで自信を得たり勝利の快感を知って競争が好きになるというプラスのケースの方が多いとは思います。

しかし、私の場合は違いました。

小学生の頃、学校の授業や友達との遊びなどではどんな競争をしても勝ってしまうという環境にいました。決して自分が優れていたと言いたいのではなく、そういう環境の中にいただけです。

想像してください。友達と遊んでいるとき、毎回のごとく何をしても勝ってしまう人がいたらどうでしょう。周りの子はつまらないですよね。その人の態度によっては嫌いになってしまう人がいてもおかしくないと思います。

こどもながらにそういった空気を察した私は、勝負ごとではわざと手を抜いて負けるということをするようになっていきました。

そういったことが続くと純粋に楽しむということはできなくなり最終的には対人においては何をするときも本気でするということを辞めてしまいました。その時のなんとも言えぬ気持ちは今でも覚えています。小学四年生の頃です。

今思えばそれが原因なのでしょう。他者との勝負へのこだわりみたいなものはなくなり競争心が自分の中から消えてしまいました。

その反動でしょうか、テトリスや音ゲーなどの自分との戦い(自己ハイスコアへの挑戦)にひたすらハマっていた時期があった記憶があります。

それとはまた別の理由で無気力症候群となってしまうのですが、この経験も大きく関係していたのかもしれませんね。
その時のお話はこちらです→【ギフテッド当事者が語る授業の辛さ!私が無気力症候群になった理由

この記事を見にきてくださったお父さん・お母さんの中には、ギフテッドチャイルドや要領の良いお子さんをお持ちの方もいらっしゃると思います。

もしお子さんが私のような状態になってしまうことがないように今の私が対策を考えるとしたら、競争相手のいる環境を用意してあげることですね。「世の中上には上がある」という言葉があるように、あのときはあくまで自分の環境の中に競争相手がいなかっただけです。

お子さんと競うことができる人がいる環境に連れて行ってあげる。すぐには無理ならちゃんとその子よりできる人の存在を伝えてあげるのが大事だと思います。

とは言っても小さい子は大人ほど経験値が多くないので、言葉で説明されるだけだとイメージが難しいです。そのため直接競える相手のいる環境に連れて行ってあげることに比べると、どうしても存在を伝えるだけの効果は弱いと思います。できることなら直接出会わせてあげたいですね。

お父さんお母さんがそういうことをしてあげるだけでも、私のような判断をしてしまうお子さんが減るのではないかなと思います。

自分よりできる人との出会いが人生を変えることはあると思います。
できるだけお子さんの環境を整えてあげましょう。
私がとある人に出会って起きた変化の話はこちら→【[無気力症候群]やる気ない人間が人生を楽しむようになったきっかけ

競争心は必要か不要か

話の流れ的に競争心がなくなってしまうことがとても良くないことのように感じた方も多いかもしれませんね。

しかし、そもそも論として競争心は必要なのでしょうか。改めて考えてみたいと思います。

競争心より向上心や挑戦する気持ちのほうが大切

あくまで私の感覚ですが、競争心や闘争心(他者に勝ちたいという気持ち)は生きるうえではなくても問題はない。ただし、スポーツ(特に対戦競技)で上を目指すならあったほうがいい。と思います。

表現を変えると、競争心や闘争心はどちらかといったらあったほうがいいかもしれないが、絶対に必要なものではない。といった認識です。

競争心・闘争心を「他者に勝ちたい気持ち」と例えるなら、それよりも向上心や挑戦する気持ちなどの「自分に勝ちたい気持ち」の方が大切だと思っています。

ただし、繰り返しますが、スポーツ(対戦競技)で上を目指すのであれば競争心や闘争心は必要だと思います。

陸上競技などの自分の限界へ挑戦するのであれば、向上心だけでも問題はないと思いますが、対戦競技の場合はいくら自分の納得するプレーができたところで勝たないといけないと思うので、競争心や闘争心は必要だと思います。

私は学生の頃バレーボールという団体競技をやっていたのですが、当時は自分が失敗しなければ勝ち負けはどうでもいいという気持ちでプレーしていたので、周りへの影響を振り返って考えると良くない行動だったなと反省しております。

競争社会の現代でも折れない心が大事

また、競争心を持つことは必ずしも必要だと思いませんが、競争社会の中でも折れない心を持つことは生きるうえで必要だと思います。

ちょっと何を言ってるかよくわからないですかね。説明します。

今の世の中、競争には嫌でも参加させられることがあります。最近は運動会でも順位を付けないという学校もあるらしいですが、それでも学校のテストや受験、就活などの競争に参加させられることはありますよね。

もちろんそういった競争を避ける権利は誰もが持っていますが、それはそれでまた別の競争に参加することになるでしょう。

そういった環境で、たとえ競争に負けたとしても心が折れずに前へ進めるような心構えや考え方を身につけることこそが必要なことなのだと思います。

挑戦する力の身につけ方についてはこちらの記事【赤ちゃんは皆ギフテッド!才能を枯らさない育て方】で解説しております。気になる方はご覧ください。

まとめ

競争心・闘争心は対戦競技をするときは必要だが、それ意外のケースでは絶対に必要なものではない。

それよりも、向上心や挑戦する気持ちのほうが大切。

要領がいい(何をやっても周りの子よりできてしまう)お子さんをお持ちの場合、競争相手のいる環境をちゃんと用意してあげることが大事。


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