この記事は、「ゲームばっかりしてないで、勉強しなさい!」とお子さんに言った経験のある方や、そういう考えをお持ちの方に読んでいただきたい内容になっております。
「ゲームばっかりしてないで、勉強しなさい!」おそらく多くの方に心当たりのある言葉ではないでしょうか。
こどもの頃に言われた経験があるという方もいれば、今現在お子さんに対してよく言っているという方もいらっしゃると思います。
しかし、もしかしたら今後「勉強ばかりしてないでゲームしなさい!」という時代が来るかもしれない。そんな話をしていきたいと思います。
目次
かつて「勉強ばかりしてないで、ゲームしなさい」という広告があった
私もこの話を書こうと思って調べるまで知らなかったのですが、実は2021年12月20日に「勉強ばかりしてないで、ゲームしなさい」という広告が香川県の地元紙「四国新聞」に掲載されていたらしいです。
ゲームのオンライン家庭教師サービスを運営している会社が出稿したとのことです。
広告掲載の経緯とその意図
どうして香川県でそのような広告が掲載されたのかというと、聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、香川県では「ネット・ゲーム依存症対策条例」(18歳未満のゲーム時間を制限する)という バカみたいな条例 あまり賢いとは言えない条例が制定されていることが理由です。
私の推測ですが、その条例に対してのアンチテーゼとして香川県に広告を掲載したのだと思います。
ただ、広告の内容としてはこの記事でご紹介する未来予測的なものではなく「ゲームはこれだけプラスの効果もあるものだよ」とアピールするものでした。
そこで、その広告メッセージを応援する気持ちも乗せて、その言葉が現実になるかもしれないという未来予測の話をしてみたいと思います。
「ゲームばかりしてないで勉強しなさい!」と言われていた理由
未来の話をするには現在までの振り返りが必要だと思います。
なので、従来の「ゲームばかりしてないで勉強しなさい!」と言われる理由を確認&考察してみましょう。
ゲームで遊ぶことに対してのアンケート調査結果
アスマーク調べ(アンケート調査会社の調べ)によると「ゲームで遊ぶことが、子どもの発育・成長にどのような影響を与えると思われますか?」という問いに対して、下記のような調査結果があります。
ゲームが好きな人は、約2割が良い影響があると答えており、悪い影響があると答えた人は38.9%と4割に満たなかったのに対し、ゲームが嫌いな人では、77.2%が悪い影響があると思うと回答した。(一部抜粋)
ゲームと子どもに関するアンケート調査 – 市場調査・マーケティングリサーチ会社のアスマーク
ゲーム好きな方でも4割近くが、ゲーム嫌いな方では8割近くが「ゲームで遊ぶことが子どもに悪い影響がある」と思っているようです。
もう1つ、「悪い影響があると思う」と答えた方の回答を見てみましょう。
<悪い影響があると思う>と答えた方の回答
- 字を書かなくなるし集中力がなくなり、携帯やスマホ依存症で勉強がはかどらなくなる。現実から逃避され、人とのコミュニケーションがなくなり、1人の世界になってよく無いと思う。(40代女性/子どもあり/嫌い)
- ゲームをしている時間は無駄な時間だと思う。学習時間や運動の時間、睡眠時間を削ることにつながる。(20代男性/子どもなし/やや好き)
- 刺激的で魅力的で、取りつかれたように夢中にはなるが、一度クリアしてしまえば、何も残らない。そのぶん読書して知識や想像力を蓄えたほうが良い。(40代女性/子どもなし/やや好き)
※( )内は、年代・性別/子どもがいる・いない/(回答者本人の)ゲームの好き嫌い
ゲームと子どもに関するアンケート調査 – 市場調査・マーケティングリサーチ会社のアスマーク
「ゲームは悪影響がある」という思い込み
どの方の意見も、データによる(根拠のある)ものではなく、個人の感想あるいは思い込みですよね。
ゲームにもいろんな種類のものがあるということを考慮せずひと括りに認識していたり、あらゆる可能性の中から悪い可能性を抜き出して、それが必ず起きるであろうといった思い込みも多い印象です。
おそらく、こういう考えをしてしまう人にとっては、ゲームに限らず自分が気に食わないと思うものや、世間の声が悪く言っていたと自分が認識したことはどれも悪影響だと感じてしまうことでしょう。
こういった、「ゲームは悪影響」という認識に加え、「勉強のほうがためになる」という思いが相まって「ゲームばかりしてないで勉強しなさい!」と言う方が多く生まれるのではないか。というのが私の考察です。
「勉強ばかりしてないでゲームしなさい!」という時代が来るかもしれない理由
現状の把握ができたところで、未来の話をしてみたいと思います。
「勉強ばかりしてないでゲームしなさい!」という時代が来るかもしれないと私が考える理由はこちらです。
- 人工知能(AI)の発展による余暇の増加
- ゲーム人口と稼げる仕組みの拡大
- ”勉強をしなさいと言う人がイメージしている勉強”の価値が下がっている
人工知能(AI)の発展による余暇の増加
現在、急速に人工知能・AIが進化していることはみなさん何となくご存知だと思います。
最近でしたらChatGPTというAIが話題になていますが、その凄さを感じた方もいらっしゃると思います。
もしChatGPTを初めて聞いたという方や、名前くらいしか知らないという方はこちらの記事【人工知能(AI)にギフテッドについて色々と聞いてみた[ChatGPT]】も目を通してみてください。どんな感じのものなのかは理解できると思います。
こういった人工知能(AI)の発展は、世界にとっては確実にプラスで、人々の余暇(自由な時間)を作るのに非常に貢献しています。
もし、働く必要のある時間が減って、自由な時間が増えると人はどうなるでしょうか。
エンタメや遊びに時間を使います。そのときにゲームの需要は高まります。
ゲーム人口と稼げる仕組みの拡大
ゲームの需要が高まり、ゲーム人口が増えると、そこにはお金が集まります。
さらに、今は個人がゲーム内でリアルマネーを稼ぐということができる仕組みが整ってきています。
勉強をしても直接的にはお金が増えませんが、ゲームの場合は直接的にお金が増えるという可能性があります。そしてその可能性は日増しに高まっています。
一昔前でしたら、ユーチューバーのようにネットに自分で撮った動画を個人が公開することによって大金が稼げるなんて誰が想像していたでしょうか。
それと同じことがすでにゲームの世界では起きています。
小学生がゲームの中でゲームやアイテムを作り、それを第三者が購入するということが世界では当然のように、と言ったら大袈裟かもしれませんが、実際に起こっています。
”勉強をしなさいと言う人がイメージしている勉強”の価値が下がっている
勉強とは本来素晴らしいものです。人生を豊かにしますし、とても楽しいことです。
私も今は勉強が大好きですし、その価値も理解しています。
しかし、こどもに「勉強しなさい」と言う人がイメージしている勉強とは何のことでしょう。
おそらく学校の勉強(受験のための勉強)ですよね。
そして、それはいわゆる「良い大学に行って良い会社に入るための勉強」だと思います。
もし、そういう意味の勉強だとしてら、その価値というのは確実に下がっています。
これからの時代、学校の勉強だけを頑張ったところで報われる(安定・高収入などの期待した結果を得られる)可能性は低くなっていきます。
そうなってきたら、勉強というのはお金や将来のためにするものではなく、趣味や遊びのように自分の満足度を高めるための行為という側面が大きくなります。
まるで今のゲームのように。
以上のような理由から、「『ゲームばかりしていないで勉強しなさい!』と言ってしまう人にとってのゲームと勉強の価値が逆転する」という現象が起きるかもしれないと私は予想しております。
もちろん、勉強や遊びの本質は変わりません。
あくまで一部の凝り固まった考えの人にとっての価値が逆転すると言うだけの話です。
もともと、自分のこどもにそんな野暮なことは言ったことも言うつもりもないという方は今まで通り、お子さんの才能を信じ、のびのびと育ててあげていただければと思います。
ちなみに、そういった子育ての話に関してはこちらの記事【赤ちゃんは皆ギフテッド!才能を枯らさない育て方】でもしているので、興味があればご覧ください。
この記事を読んでドキッとしたという人に伝えたいこと
大事なことは、私の予測が当たるかどうかではありません。
なんのデータも根拠もない情報を鵜呑みにして安易に物事を否定したりしないよう気を付けましょう。
個人の経験を過信したりせず、自分の経験はあくまで1つのデータに過ぎないということを忘れずにいましょう。
ものごとの本質を見極めようと、常に考え想像することを心掛けましょう。
そうすれば、あなたも周りの人も今より楽しく幸せにいられると思います。