この記事では、映像記憶について元保持者の目線でお話ししていきます。 映像記憶とはどんなものなのか。 後天的に身につけることはできるのかどうかにも触れていきます。 興味のある方はぜひご覧ください。
映像記憶というのをご存知でしょうか?
別名、写真記憶・フォトグラフィックメモリーとも呼ばれるようですが、私は幼少期に(10歳頃まで)この能力を持っていました。
そこで今回はこの映像記憶について、元保持者の目線でお話ししていこうと思います。
目次
映像記憶とは
映像記憶を簡単にご説明すると、見たものを写真のように思い出せる能力です。
私の好きなオードリー・タンさんや、中野信子さんも映像記憶を持っていたらしいです。
ちなみに、オードリー・タンさんについてはこちらの記事【「ギフテッド 有名人」とは?オードリー・タンから学ぼう】でご紹介しております。
人によってその度合いはそれぞれらしく、嫌なことまで全て映像として記憶に残ってしまうという人もいれば、自分のように見たい記憶だけ写真を見返すように思い出せるという人もいると思います。
また、この映像記憶という能力は意外と無自覚な人もいると言われています。
そりゃそうですよね。自分にとっては当たり前の感覚なので人と比べるまでわからないですよね。私もそうでした。
私に関して言うと、この映像記憶という特徴は物心つく頃には当たり前の感覚としてありました。
この感覚を伝えるなら、見た景色がスマホの写真アプリに自動保存されていて、見たいときにいつでも見返せるといった能力です。
例えば、「きのう何食べた?」と思ったとき、昨日の記憶をたどりますよね。その際にカメラロール(写真一覧)をたどって食べたものの写真を探し出すような感じです。
その鮮明さは、教科書の文字が読める程でしたので、勉強も苦労することがありませんでした。
それだけ聞くと羨ましいと思われるかもしれませんが、当時の自分にとってはズルをしているようであまり嬉しいものではありませんでした。
その話の詳細についてはこちらの記事【ギフテッド当事者が語る授業の辛さ!私が無気力症候群になった理由】でご紹介しております。気になる方はご覧ください。
そういう思いが影響してか、あるいは成長するにつれてか、小学校高学年の頃から映像記憶の能力は弱くなっていきました。
無くなったのではなく弱くなっていったと表現するのにも理由があります。
一応今でも記憶方法をタイプ分けをすると映像として記憶が残るタイプではあると思います。何か覚えたいことがあっても書いて覚えたり聞いて覚えるということはせず、見て覚えます。
昔は鮮明に思い出せた記憶も、今では記憶のカメラロール(写真一覧)は残っているがぼかしがかかっているような感覚です。色や配置は思い出せるけど文字までは見えないといったところでしょうか。
先天的なものか、後天的なものか
この映像記憶、先天的なものなのか後天的なものなのかは私にはわかりません。
先天的にしか身に付かないものだとしたら話が進まないので、いったん後天的に身に付くこともあると仮定して話を進めてみます。
私は幼少期に両親がいろいろしてくれた(+ 才能を枯らす余計なことはしないでくれた)おかげで、今の自分の能力があると考えております。
才能を枯らさない育て方についてはこちらでご紹介しております。 【赤ちゃんは皆ギフテッド!才能を枯らさない育て方】 よろしければご覧ください。
こちらの記事【IQを上げる具体的な方法24選!体験談を交えてお伝えします】でご紹介しているとおり、幼少期にはいろいろな遊びをさせてもらっていたのですが、物心ついた頃から映像記憶を使っていたことを考慮すると、乳幼児の頃にしてもらっていたことが関係していると思われます。
その中で、効果があったかもしれないと私が感じることは散歩と語りかけですかね。
「え、映像記憶と散歩は関係ないでしょ。語りかけるだけで身に付くならみんな持っているよ」と思われるかもしれませんね。
もちろんただ散歩をしたり、語りかけてあげたりすれば良いというわけではありません。
散歩と語りかけの2つを組み合わせたときに映像記憶に関する脳の領域が刺激されたという可能性はあるのかなという仮説です。
どういうことかご説明いたします。
散歩をするといろいろな景色を見ますよね。小さなこどもにとってその景色は全て新鮮で印象的だと思います。
もし、散歩をする度にお父さん・お母さんとその景色について話したり、散歩が終わってからも「あれは〇〇だったね」と思い出すような会話を続けていたらどうでしょう。自分が見ていた景色と記憶が結びつく気がしませんか?
特に言語野という言葉に関する脳領域が未発達な状態で記憶をするとしたら映像として記憶を残すほうが簡単なのは想像できますよね。
言語野が発達する前に、映像と記憶を結びつける経験を何度も繰り返すことによって、映像記憶の力が鍛えられるということもあるのではないかと思います。
あくまで個人の仮説ですが、もし映像記憶に興味のある研究者の方がお読みになられていたら、ぜひ研究のテーマに採用していただきたいですね。その際は一言コメントしていただけると嬉しいです。
ピアニストに映像記憶を持つ人が多い?
以前、ピアノのレッスンを受けているときに先生から「もしかして楽譜を写真のように覚えている?」と聞かれました。
「はい、どうしてわかったのですか?」と聞き返したところ「私もそのタイプなのよ。ピアノやっている人に結構多いのよね」と答えが返ってきました。
あくまで先生調べというか経験値としてのお話らしいので、実際のところはわかりませんが、ピアノをすることによって鍛えられる可能性もあるのかもと私も考えています。
というのも、私は幼少期にピアノを習っていたのですが途中で辞めて、大人になってまた再開しました。
どうして一度辞めて再開したのかに関しては下記記事で経緯を書いております。 【[無気力症候群]やる気ない人間が人生を楽しむようになったきっかけ】
再開してからはピアノの楽しさに目覚め毎日数時間は練習をしていたのですが、1年ほど経過してからでしょうか、気付いたら映像記憶の鮮明さが少し回復してきたのです。
といっても昔みたいに文字がはっきり読めるほどではありません。
ピアノには暗譜といって楽譜を覚える作業があるのですが、この暗譜、幼少期は意識せずとも練習していれば勝手に覚える子が多いのですが、大人になると苦労するとも言われております。
私も再開時には、覚えるのに少し時間を必要としたのですが、再開してから数年経った今はまた特に意識せずとも覚えれるようになりました。
ただ、私は楽譜の装飾記号という音符以外の情報については完璧には覚えていないことが多いのですが、ピアノの先生は、装飾記号まで全て覚えていると言っていました。やはり小さい頃から弾き続けているからかその精度は私より高いのでしょう。
以上のことからピアノにも映像記憶を鍛える効果が多少はあるのではないかと考えております。
ピアノが脳に良いということについてはいろんな学者さん達が言っていますしね。
大人だけどどうしても映像記憶を身に付けたいという方は試しにピアノを始めてみるというのもありかもしれませんね。
最後に
映像記憶が良いか悪いか、私の中では賛否両論あります。
嫌な映像を忘れられないレベルの映像記憶は辛いでしょうし、私のように映像記憶を持っていることが嫌だと思ってしまう人もいるかもしれません。
もちろん映像記憶は良い部分というか便利なこともあると思いますが、総合的に考えると別に今のままでも良いかなといった気持ちです。
今のままでも映像記憶をお持ちでない方と同様、何かを覚えようと意識すれば覚えることはできますしね。
人は、覚えたいことが覚えられて、忘れたいことが忘れられたらそれで十分だと思います。映像記憶を持っていようと持っていまいとそこは関係ありません。
人生を楽しむことは誰にでもできます。
ぜひとも楽しい人生を送りましょう。